奨学金だけじゃない!教育ローンのすべて

【How Much?】国民生活金融公庫の教育ローン

国民生活金融公庫の教育ローン(国の教育ローン)とは

教育ローンの代表格と言われる、国民生活金融公庫の「国の教育ローン」は、「国の・・・」という名が表すように、国が全額出資する政府系金融機関で、国民生活金融公庫法という法律に基づいて運営されています。要は公的な機関であり、民間の企業ではないということです。

この国民生活金融公庫は、前身の国民金融公庫が昭和54年より、入学資金を融資する「国の進学ローン」の取り扱いをはじめました。平成3年からは、入学資金だけでなく、在学中の費用の取り扱いもはじめており、「国の教育ローン」として今日に至っています。

教育ローンの内容については、先述のとおり、一般的には保護者が手続きを行います。一般的には・・・というのは、最近では社会人になってから専門学校へ通い技術を得るケースがあります。このような場合は、社会人である「学生・生徒」がお金を借りることになります。国民生活金融公庫は、全国に152の店舗があり、その多くは大都市に集中しています。東京、名古屋、大阪には相談センターも設けられています。残念ながら、都道府県によっては10数店舗あるところもあれば、1店舗しかない県もあるのが現状です。1店舗しかない県の場合、多くは県庁所在地に店舗がありますが、その県庁所在地まで行くにもかなり時間を要する場合、お近くの銀行、信用金庫、信用組合などの窓口でも代わりに受け付けています。

これらの銀行や信用金庫などの融資相談窓口には、「国の教育ローン」のパンフレットや申込書類が置かれています。しかし残念なことに、パンフレットがホコリだらけであったり、説明を聞こうにも、全くわかっていない銀行員がいるのも事実です。可能な範囲であれば、お住まいの地域の国民生活金融公庫がどこにあるのかを調べ、直接出向いて相談されることをおすすめします。

国の教育ローンを借りる条件

気になるのは、実際に教育ローンを借りるにはどんな基準や条件があるかということです。教育ローンの条件として見逃せないのが、年収です。家族の合算の年収が、給与所得者の場合990万円以下、自営業者の方は770万円以下となっています。家族合算ということですから、たとえば、申込人であるお父さんの年収が900万円で、お母さんのパートによる収入が100万円あれば、合計で1000万円となるので、この場合は基準外となります。

自営業者の方の場合は、確定申告している所得の金額が対象になります。売上の金額ではなく、売上から仕入れや経費などを差し引いた所得の金額と、配偶者に収入があればその金額の合算が、770万円を超えなければいいということです。また、過去にカード破産などをしているなど、いわゆる「ブラックリスト」に載っているようであれば、やはりローンを借りるのは厳しいでしょう。金融機関において借金を返していない人や、延滞したことがあれば、貸したお金を“確実”に返してもらえないというリスクがあるため、ローンを断ることがあります。

ここ数年前からは、国民生活金融公庫に教育ローンを申込すると、「半年前からの普通預金の通帳を持ってきてください」と言われるようになってきています。これは、申込時点より過去半年以内に、電話代や電気代などの公共料金の引き落としや、住宅ローンなどの返済が遅れ遅れになっているようであれば、「返済にルーズな人」と判断され、教育ローンを貸さないという判断になります。電気代や住宅ローンの引き落としなどは、あらかじめ引き落とし日が決められています。その日にお金を支払えないということですから、お金を貸しても返してもらえないのでは・・・、と判断されてしまうのです。

ですから、教育ローンを申し込もうと考えている方は、これらのことには十分に注意をしてください。「ついうっかり忘れていて・・・」という言い訳も通用しませんので、ご注意ください。

国の教育ローンを借りる条件

では、教育ローンは、実際にいくらくらいのお金を貸してくれるのでしょうか。国民生活金融公庫では、融資金額の上限が決められており、学生・生徒一人につき200万円以内となっています。たとえば、大学入学時に100万円借りて、大学3回生時に残りの100万円を借りることも可能です。しかし注意をしてほしいのが、あくまでも上限が200万円ということであって、必ず200万円が借りられるということではないということです。

教育ローンには当然ながら審査があります。審査結果により、200万円が満額OKということもあれば、100万円に減額されたり、最悪の場合、全くお金が借りられないということもあります。

また、この200万円というのは、学生・生徒一人あたりにおける設定です。一世帯で考えた場合は、兄弟姉妹が2人3人というご家庭は、その融資額の上限が400万円、600万円と比例することになります。

国の教育ローンを借りる条件

返済は、融資を受けたお金を10年以内にすることが原則となっています。但し例外として、母子家庭や交通遺児家庭の場合は、1年間の延長が認められており、11年以内となっています。

ここで大事なのが、200万円借りて10年間で返済する場合、いくら返すのかということです。返済には、ボーナス月に増額返済したり、返済額を途中で増額することも可能ですが、毎月一定額を返済する場合、200万円満額を借りた方は毎月13200円を返済することになります。 (図参照)

毎月元利均等返済(毎月の返済額が一定)返済の目安<年1.5%の場合>

教育ローンを借りた場合、通常、借りた翌月から返済が始まります。しかし、大学在学中など、支出が多い時期に、さらに返済の金額が増えるとなれば、かなり家計を圧迫することになります。そこで、国民生活金融公庫では、在学中の4年間は、元金の返済を待つという配慮がなされており、元金の返済の据え置きが認められています。

但し、この据え置きで注意をしてほしいのが、4年間元金の返済を据え置いた場合、4年後から返済が始まるのですが、返済期間はそこから10年ではありません。当初の返済期間は10年であり、その10年のうち4年間元金を据え置いた場合は、残りの6年間で借りたお金を返済することになるのです。そうすると毎月の返済額は約3万円となるため、利用する場合には、前持った計画的な進路設計が必要といえるでしょう。

コラム

「国の教育ローン」のココに注目!

教育資金融資保証基金の機関保証制度

教育ローンを利用する場合、必要なのが「連帯保証人」です。奨学金のように親を連帯保証人にできない教育ローンでは、別生計の方、つまり親兄弟や親戚、知人を保証人に立てなければなりません。しかし、国の教育ローンには、保証人が不必要な「機関保障制度(財団法人教育資金融資保証基金)」があります。これは、保証人の変わりに、保証料を支払うことで解決できる制度です。少々保険料は高くつきますが、いくら知っている人でも、保証人を頼む際には、気が引けますし、あらゆる問題も発生しかねません。そんなときにはとても便利な制度です。

借入れ金利

国の教育ローンは、他の機関の教育ローンよりも、金利は低く抑えられています。平成17年4月時点での金利は年1.7%。固定金利であれば3年でも10年でも同じ金利が適用されます。奨学金と比べるとやや高いものの、車や銀行のカードローン、CMで流れる20%前後の消費者金融の金利と比べるといかに低いかが分かります。金融機関などでの教育ローンをお考えの方は、一度全金利を比較し、国の教育ローンを検討することをおすすめします。

国の教育ローン 申込みの流れ

申込時に必要な書類

●借入申込書
●年収または所得を照明する書類
 源泉徴収表/確定申告書(控)/年収記載の住民税課税証明書など
●申込の学生の続柄が分かる書類a~cのいずれか
 a.住民票写し
 b.住民上の記載事項を照明する書類(同居家族全員が記載されているもの)
 c.健康保険被保険者証
<外国の学校へ入学費用を利用する場合>
○留学志望校記入票
<在学生の場合>
○使い道を確認できる書類と在学を確認できる書類

契約手続き時に必要な書類

●借用証(合否通知)
●印鑑証明書
 保証人をたてる場合は、保証人の分を含む
●合格を証明する書類
 合格通知書/入学許可書など
<金融機関からの自動振替を希望の場合>
○預金口座振替利用届

コラム

国民生活金融金庫以外で出来る「国の教育ローン」に注目!

郵貯貸付

国の教育ローンは郵便局でも申込みができます。郵貯貸付の申込は簡易郵便局を除く全国2万の郵便局で扱っていますが、事前に「教育積立郵便貯金」という積立貯金をしている方に限られます。「教育積立郵便貯金」は一般的な積み立てとは違い、教育資金を準備する目的で毎月決まった金額を1年から5年にわたり積立て、積立が終了すれば、日本郵政公社からのあっせんで、国金から教育ローンの融資を受けることができます。ですから、この郵貯貸付を受けようとするには、最低でも1年前からの準備が必要です。

たとえば、毎月10万円を1年間積立した場合、120万円までを教育ローンで借りられます。毎月3万円を5年間積み立てた場合は180万円の教育ローンが受けられます。国金の教育ローンの限度額が200万円なので、積立の総額も200万円まで。積み立て満了後は、教育ローンの申し込みをし、融資が実行されると、この貯めたお金も解約して払い戻しを受けることになります。つまり、手元に自分の貯めた200万円が戻ってきて、国金の教育ローンも200万円を借りることができるのです。ただ、この教育ローンも全くの無審査というわけではありません。場合によっては融資が減額されたり、断られることもありますのでご注意ください。

また、申込みは、教育積立郵便貯金満期後四年以内です。融資されたお金の使い道や返済方法は、先の国金の教育ローンと同じで、返済も最長期限は10年となります。ただ、この場合は年収に関する制限はありません。年収が1000万円を超える方で、どうしても教育ローンを借りたいという方がいれば、この郵便貸付の方法で教育ローンを借りる方法を利用して下さい。

年金教育資金貸付

さらに、国の教育ローンは、年金福祉協会が窓口となっている年金教育資金貸付制度を利用しての利用ができます。年金教育資金貸付は、厚生年金保険・国民年金の年金積立金を原資とし、国民生活金融公庫・沖縄振興開発金融公庫が「国の教育ローン」の一部として実施している制度で、年金資金運用基金が融資のあっせんを行うとともに、業務の一部の委託を受け、申込受付、資金の交付を行うものです(年金資金運用基金ホームページより)。

これは名前の通り、年金を払っている方が対象となる融資制度です。厚生年金保険や国民年金の加入期間が10年以上の方が対象なので、高校や大学卒業後、ずっとサラリーマンをしているという受験生の保護者であれば、ほとんどの方が該当されると思います。

年収基準は給与所得者の場合990万円、自営業者の方は770万円以内と、国金の基準と同じで、その他返済期間なども同じです。ただ融資金額に違いがあり、厚生年金保険加入中の方は100万円、国民年金加入中の方は50万円、と国金に比べると少なくなっています。なお、年金教育資金貸付は全国に35ヵ所ある年金福祉協会で行なうことができます。

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